富士見市山室・勝瀬地区商業施設計画(ららぽーと富士見)について

2007/10/2の説明会ベースのものです。

開発の位置づけ

開発予定地は、富士見市の「富士見市総合計画(第4次基本構想)」において、シティーゾーンとして位置づけられている地域の一部にあたります。
このシティーゾーンは、第4次基本構想項j期基本計画の「シティゾーンの整備推進」において、「市役所周辺地区を、行政、文化、業務機能を有するゾーンとし、富士見市のシンボルとなる拠点を育成していきます。」とされています。
この開発は、地元地権者が、この基本構想の実現に向けて、商業施設事業者として三井不動産を選定し、同社による開発については、『「買い物をするだけの場」ではなく、文化や地域コミュニティを絡め、地域と共生した商業施設という観点で、整備を行ってまいります』。としています。

解説)この説明会は、三井不動産と市役所の共催(市の主催といっても過言ではない)で行われましたが、これは、富士見市役所の従来の見解である、民間の地権者が選定した民間業者による自主的な開発、というスタンスではなく、この開発は、富士見市の振興という施策の一端を民間活力によって実現するもので、市積極的に関わっていく、ということが、この説明会で明確に示されたと解釈しています。

・開発の概要

1.街のにぎわいを創出する商業施設づくり
「・富士見市総合計画にのっとり、街のにぎわいを創出し、地域のコミュニティの核となる商業施設の整備を行います。」
ということで、「食料品売場イメージ」「レストラン・カフェイメージ」「エンターテイメントイメージ」の写真イメージが紹介されています。

2.ライフソリューションコミュニティの実現
「・「買い物の場」としてのみならず、豊かなコミュニケーションの場や多彩なライフスタイルの実現をサポートする機能を備えた商業施設づくりを目指します」
「・ライフソリューションコミュニティとは、お客様の生活の中にある様々な課題や興味に対して具体的な解決策を提供しながら進化していくコミュニティであり、新しい商業施設のあり方を表します。」

ここでは、ホビークラフトコミュニティ、キッズコミュニティ、フードカルチャーコミュニティが紹介されています。
建築計画の概要(資料からそのまま転載)
建築物の名称    :富士見市山室・勝瀬地区商業施設計画
建築場所      :埼玉県富士見市山室一丁目1259番1号 外
建物用途      :物品販売業を営む店舗他
敷地面積      :151,918.20㎡
建築面積      : 70,187.41㎡
延床面積      :242,988.30㎡
構造・基礎工法   :鉄骨造・杭基礎
建物階数      :商業施設棟/地上3階(一部4階) 駐車場棟/地上5階
建物高さ      :商業施設棟/17.8m(一部最高29.1m)・駐車場棟/17.9m
工事期間      :平成19年11月頃~平成21年9月頃
建築主       :三井不動産株式会社
設計者       :安藤建設株式会社一級建築士事務所
施工者       :安藤建設株式会社
建築計画のポイント(資料からそのまま転載)
<緑地配置のポイント>
● 計画地外周や駐車場には緑地帯を設け緑地の創出を目指します.
● 周辺の快適な住環境を維持するため、住宅地と接するリーンには緩衝帯として緑溢れる緑地公国を配置しま
  す。
<交通計画のポイント>
● 電車、バスでの来場を促すため市役所側に交通広場を設置し、バスベイ・タクシーべイを整備します。
● 来場車両は富士見川越有料道路、県道三芳富士見線からの入場をメインとし、かつ十分な出入□を確保する
 ことで、周辺生活道路への影響に配慮します。
● 敷地内に構内道路を配置し、来場車両を敷地内に引き込みやすくすることで、周辺道路の混雑を回避します。
<歩行者動線のポイント>
● 富士見川越有料道路下の既存アンダーパスを存置し、車動線と歩行動線の交差を極力避け、安全な歩行動線
 を確保します。
<雨水排水計画のポイント>
● 計画地は低地であり、その水田は大雨時には雨水の洪水調整の機能を果たしています。その点を考慮して雨
 水排水計画を作成しています。
■ 大雨時の雨水排水量の調整機能を確保するため、地下に4つの調整池を計画しています。
※現時点では行政および各関係機関との事前協議を行っている段階であり、今後、それらに基づさ計画内
 容が変更される⊂とがあります。
クルマは、ピークで1時間に2,500台が来場する想定で、このうちの7割を川越富士見バイパス、3割を県道三芳富士見線(鶴瀬駅東通り線)でさばく計画です。地域外からの勝瀬交差点-勝瀬中方面からのアクセスがされないように、案内板配置等に配慮する、ということでしたが、実効性に不安が残る、という感想です。
ふじみ野市方面からの車での来場は、県道ふじみ野朝霞線-県道三芳富士見線経由のものが、約5%、あとは富士見川越バイパス経由、となっていますが、厳しいのではないかと思います。
なお、車での来場者数は7割を想定しているようです。公共交通機関での来場を増やすため、路線バスの誘致、シャトルバスの運行などを検討しているとのことです。
計画スケジュール
工事着工          平成19年11月頃
(富士見川越有料道路無料化 平成21年 8月)
建築工事完了        平成21年9月頃
施設オープン        平成21年秋頃
※計画スケジュール(予定)は変更することがあります。
オープンは、富士見川越有料道路の無料化以降である、と明言されました。この道路が、来場のメイン道路という位置づけなので、有料道路ののままですと計画通りにならないということだと思います。
富士見市山室・勝瀬地区商業施設計画の調整池計画について(資料からそのまま転載)
 今回の計画に当って、大雨時の雨水の流出を抑制する調整池については、大きく3つの考え方をもっ
て調整容量を算出しています。

 一つは、計画地の水田・畑がこれまで大雨による図川の洪水時に浸水するエリア(湛水区域)となっ
てきました。そのため、商業施設を作るうえで土地を造成すると、これまで大雨時に湛水区域に溜まっ
ていた水が行き場を失い、その分、洪水の被害が大きくなることが予想されます。そのため、これまで
湛水区域として、計画地に水が溜まっていた容量(約33,600㎥)を調整池として確保することとし
ました。なお、この容量の算出については、埼玉県の調査(湛水想定図)により湛水区域の浸水深が0
~25cmのエリア、25cm~50cmのエリアに分けられており、それに基づいて算出しています。

 二つ日は、開発に伴って、建物の屋根や地表が舗装されたりするなどにより雨が急速に川や下水道に
流れ込むことになり、その水を流せる能力(流下能力)を超えてあふれることが考えられます。そのた
め、開発に伴って下流に負担をかけてしまう容量(約16,300㎥)を調整池として確保することとし
ました。
なお、この容量の算出については、埼玉県による過去の大雨のデータから30年に一回降る様な雨を対
象に計算された容量(富士見市はヘクタール当り950㎥)をもって算出しています。

 三つ目は、昨今の急激な雨や不測の事態が発生した場合等に対する「余裕」をもつ必要かあると考え
ました。その「余裕」には、計画地周辺で計画地と同様に湛水区域となっていて大雨の際に溢れ出る雨
水量(7,100m3)や不測の事態等を念等に、富士見市と協議の上、開発に伴って必要な容量の約8割
(約12,800m3)を確保することしました。

 その結果、本開発では約62,800㎥(33,600㎥+16,300㎥+12,800㎥)の調整容量を確保
しています。
 調整池の構造については、駐車場下を中山に地下に設け、放流先の水位の低下にあわせてボンプ排水
する構造としました。なお、大雨時に計画地や周辺に水が溜まっていた容量の水は、住宅地にあふれる
前に、直接、図川から調整池に引き入れる計画とします。また、調整池の配置については流域や雨水の
流入を考慮して、4箇所に分散化(1号12,500㎥、2号22,300㎥、3号11,600㎥、4号
16,400㎥)することとしました。
今回の開発にあたって、もっとも留意すべき対策の1つとしては、現状地が持っている、洪水防止の機能を損なわない、ということがありますが、商業施設建設に当たって、事業者の責任と負担において、調整池建設を建設する、ということのようです。その容量などは、行政も関与しつつ、余裕をもって計画されているといえます。


・作成履歴

2007/10/13作成 

C)たけたけ 2007 

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